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読書

 昔からの仲良しは皆周知のことだが、私は本が好きである。
ものごころついたときから本を読んでいたので、もはや、本を
携帯していないと落ち着かない。が、大人になってから、何し
ろ時間がないこともあり、ちゃんと読めず、読んだ割には内容
あやふや、漢字の読みや人の名前を大間違いしたままでいた
りする。いやだねえ。
 今日の昼休み、同僚と、ちょっと読書の話になって、
「読んでも忘れちゃいますね」
という話になった。そうだ。読んだ本の内容を全部覚えてなん
かいない。ちょっとでも覚えていれば良い方で、題名を見ても、
思い出すことが1つもない、そんな本もある。ひどいと、読んだ
のに、もう一度買っちゃったり、そんなこともある。
 はて、忘れちゃうのに、どうして読書するんだろう。何だか無駄
なような、と、私は、はたと考えた。
 読書には、知識を得るための読書と、映画やテレビと同じように
楽しむだめの読書があるように思う。最近のベストセラーを見て
いると前者の読書の方が圧倒的に多いようだが、私は後者の方
が好きである。となると、ますます、何のために読書をしているの
か、という目的は曖昧になるのだが。
 ま、キザな言い方になるけれど、結局、感動したいんだよな、と
思う。浅田次郎さんの小説のせつなさ、重松清さんの小説の涙、
伊坂幸太郎さんの小説の衝撃、東野圭吾さんの小説の意外性、
三島由紀夫さんの小説の狂気、谷崎潤一郎さんの小説の官能、
そういうものに触れて、喜んだり、ショックを受けたり、感心したり、
泣いたり、笑ったり、そういう気持ちの動きを感じたいのだと思う。
日常では体験できない刺激が本の中にはたくさんあるというわけ
だ。
 その結果、何も覚えていないのだけれど、あの小説を読んだ時
にこんな風に感じたな、とか、あの小説にはこんなシーンがあっ
て印象的だったな、とか、全体の雰囲気はこんな感じだったな、
という、大雑把な記憶だけが残り、それが結構な私の引き出しに
なっているのである。
 もう1つ、読書の結果として残るのは、様々な人物の価値観、
生き方を疑似体験できることで、これは実生活でも案外役立っ
ている気がする。時々、自分の狭い価値観や考え方だけで怒
りながら相手が何故そういう行動になるのか想像できない人を
見かけると、(この人はよほど友達が少ないか、読書もしたこと
がないかの、どちらかだな)と思っちゃうくらい。
 まあ、それはともかく、何というか、読書というのは贅沢で豊か
で、案外自分を成長させてくれる趣味なのだよ。たとえ、内容を
すべて忘れてしまったとしても。 
by akira_dai | 2009-05-27 21:25

AKIRAの日常、考えたこと、など。平凡です。

by akira_dai