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小学生時代の協力

 毎日、「昼休みに誰と遊んだの?」と息子にきいている。
今日は
「新聞を作らないといけないから遊ばなかった」
と言う息子。彼は新聞係なのだ。何でも、昼休み中の時間
をかけて、彼いわく、「やばい話し」を書いたそうだ。ハ
ナクソとか爆弾とか、汚いものや危ないものがたくさん出
てくるお話だそうで、今週、授業参観をひかえた母は頭が
痛い。
 息子は続ける。
「明日も新聞作るんだ。ヒロヤの分が書けてないから手伝
わなくちゃ。」
ヒロヤ君はひどいアレルギーで体が弱く、夏も長袖、給食
はお弁当。それが原因なのかどうかわからないが、友達付
き合いも上手ではない。うちの子は学童も含めて、クラス
のほぼ全男子と放課後や土日に遊んだことがあるが、ヒロ
ヤ君は、一度も遊んだことがない唯一のクラスメートであ
る。
 よく一緒の班になるのだが、給食の時など、何もしてい
ないのに、
「オレは仲間はずれだから」
と言って、自分から机を離してしまうのだと言う。そんな彼
を女子は、「気持ち悪い」「うざい」と嫌がっており、隣に
なると、露骨に嫌な顔をする女子も少なくない。
「あまり無理矢理、自分の意見を押し付けないで、ヒロヤ君
の希望をききながら手伝いなさいよ。」と言うと、
「もちろんだよ。」と言って、息子は出て行った。
 ヒロヤ君みたいな、と言っては悪いが、昔は、クラスに一
人、必ず、「困った君」がいたものだ。5年の時、我がクラス
にも、村田君という、学年でも有名な「困った君」がいた。当
時はお風呂のついていない公団やアパートが多く、彼の家も風
呂がないのか、いつもひどい悪臭を放っていた。ハミガキもし
ていないから歯が抜けてしまって、残っている歯も黄色くて、
髪もぼさぼさで爪も伸びっぱなし。ぎょうちゅう検査も毎回、
ひっかかる。そんなだから、忘れものも多くて勉強も遅れてい
て、しょっちゅう、他の男子にちょっかいを出されて泣いてい
た。また、そういうのに限って運動神経も鈍かったりする。彼
の母親は保険外交員で、昼間はいないし、毎日、深夜のタクシ
ー帰りだったから、ご飯も十分でなかったのかもしれない。
 で、ある時、そんな彼と私は一緒の班になった。もちろん、
嫌だった。当時は何かと班で何かを作ったり、漢字テストの
得点を班どうしで競ったり、しかし、彼一人が出来ないせいで
いつも、うちの班はビリだったのだ。おかげで、いつのまにか
「ボロ班」と他の班から呼ばれるようになり、さんざんバカに
され、憂鬱な毎日だった。先生に何とかしてほしかったが、今
思えば、先生はわざと、私たちのために、彼に班やクラスの一
員として頑張ってもらうために、放っておいたのだと思う。
 班の女子メンバーは割としっかり者が多く、特に、班長の早
紀ちゃんは、常に学級委員長をつとめるくらいのリーダーだっ
たので、早速、「土日に班で勉強しよう」と提案してくれた。
 毎週行われる漢字テストの猛勉強が始まった。土日になると、
誰かの家に集まり、村田君を囲み、漢字の特訓。途中、お昼を
食べて、また特訓。(村田君以外の男子はふざけて遊んでいた
気がするけれど)正直、私も退屈で辛かったけれど、とにかく
ボロ班返上のために皆で頑張った。
 そして、見事、次の週の漢字テストで村田君も満点をとり、
私たちはボロ班を返上、先生に大いに評価されたのだった。
一生、忘れられない思い出。あの村田君がちゃんと頑張って、
ちゃんと満点をとってくれた。当時の私にとっては、ありえ
ない、信じられない奇跡が起きたのである。
 こういう体験は何事にも変えられない。また、小学校でしか
体験出来ないことだ。息子も、誰かを手伝ったり、誰かに手伝
ってもらったりしながら、時にはトラブルもあるだろうが、今
しか体験できない協力関係を築いてほしいと思う。
by akira_dai | 2012-01-17 23:52

AKIRAの日常、考えたこと、など。平凡です。