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教師という職業

 無事に息子は二年生を修了し春休みに入った。先日、最後
の保護者会で、担任の先生が、
「私は今までうけもったどの子供に対してもそうですが、ず
っとずっと、その成長と活躍を祈っています。」
と話していた。たくさんの子供を育てられる、期待出来る、
羨ましい職業だなあ、と思う。
 私は、高校の時に受けた適性検査で、毎回、「幼稚園の
先生」「小学校の教師」「中学校の教師」「高校の教師」
と、教師しか適性が出ず、当時は、
(理系でも文系でも芸術家でもない、何て個性のない、つ
まらない適性だろう。)
とガッカリしたものだが、今になって、教師とは素晴らしい
職業だなあ、と尊敬に似た感動を覚える。ただし、大変すぎ
るので、やっぱり、先生にはなりたくない。
 ところで、昨日、中学時代の体育の先生の訃報が届いた。
56歳だった。体育の先生とはいっても私は直接授業を受け
たことはないし、担任だったわけでもなく、あちらも私のこ
とは顔さえ覚えていない、いや、知らないと思う。体調を推
して通夜に行くほど気力が出ず、しかし、何か出来ないかと
思って、心当たりに全部電話した。
 特に妹は、その先生が担任だったし、先生が顧問をしてい
たバスケット部でとてもお世話になったので、会社にいる妹
に連絡し、その後、母に電話をして、当時、バスケット部男
子のたまり場になっていた家にも連絡してもらった。
 さて、私は、その先生に直接、指導をしてもらったわけで
はないのだが、一つだけ、その先生が教室でした、ちょっと
した脱線話を覚えているのだ。
 あれは保健の授業だったのか、あるいは、担任の先生がお
休みで、その代理で朝だか帰りに見に来てくれたのか(亡く
なった先生は隣のクラスの担任だった)、今となっては事情
も定かではないが、私は窓際の前から二番目の席で彼の話し
を聞いていた。
 それは健康管理に関する話しだった。インフルエンザの話
があった。受験の年だった。
「インフルエンザは2月とか、試験の時にかかりやすいんだ。
だからこそ気をつけないといけない。」
と先生はちょっと厳しい表情で話した。それから、どういう
わけか歯磨きの話しにもなって、
「そうだ。歯磨きでは舌も磨いてみろ。そうすると、食べる
ものの味が違う。まさに一味、違うんだ。これは、試してみ
て。オレも毎日、磨いているよ。」
と笑っていた。本当だ、本当だ、と何回も言っていた気がす
るから、うそだ~と突っ込んだ、やんちゃな子もいたのだろ
う。
 私は、(え~、舌も磨くなんて気持ち悪い!)と思ったか
ら、あれから30年の間、一度も舌を磨いたことがないけれ
ど、妹にも同じ話しをしていたみたいだし、妹によると、掃
除のしかたや、肩のもみかた(妹は部活で先生の肩もみ担当
だった)、色々細かいこだわりがあり、結構、繊細な先生だ
ったようだ。今思えば、おそらく新任で、将来に向けて気力
も十分、やる気いっぱいで充実していたのだろう。
 妹はお通夜に行けたことと、自分の同期が大勢集まったこ
とをとても喜んでくれて、私に感謝をしてくれた。けれど、
自ら出向けなかったことはちょっと後ろめたい。
 それにしても、こんなに関係の薄い私でも、その先生が話
した、ちょっとしたことをこんな風に覚えている。教師とい
う職業は何て素敵な仕事なんだろう、と、羨ましい。そして、
早すぎる急逝は残念だったけれど、幸せな人生だったに違い
ない、と、生意気だけれど、そう信じる。
by akira_dai | 2012-03-22 23:46

AKIRAの日常、考えたこと、など。平凡です。