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レジリエンス

 感情的にならないことがかっこいいと思って、
理想的だと思って、それを目指して、どうした
らそうなれるだろうか、と、若い頃から考えて
いた気がする。おかげさまで、20代になる頃に
は、すっかり、感情の薄い冷静な人みたいにな
って、付き合っている人からも
「冷たい」だの「かわいくない」だの言われる
始末。悲しかったけれど仕方がない。自分の感
情や気持ちなんてものは、自分以外には理解し
てもらえないものだと思っている。
 そして40代になったとき、不幸が3つくらい
重なって、すっかり心身ともに調子を崩して、
一時期はまったく外出できなくなった。無理を
しすぎた。自分の感情を受け止めずに、無理や
り、前だけを見ようとして、眠れなくて、仕事
と育児に邁進しようとして倒れてしまった。初
めて、不登校や鬱の人の気持ちがわかった。
 数か月前に、「レジリエンス」に関する本を
読んだ。自分のメンタルのために読んだわけで
はない。最初は、子どもの教育のことで悩んで
「マシュマロテスト」という本を読んだのがき
っかけで、忍耐強さや自制心を養い、折れない
心を作るテクニックに「レジリエンス」がある、
と書いてあったので、どんなものかと、子ども
のために読んだ。
 画期的な内容だった。感情を否定するのでは
なく、感情は受け止め、その後の行動をコント
ロールする手法だ。例えば、イライラする出来
事があったときに、イライラすることはおさえ
ない。しかし、その結果、怒鳴ったり、何も手
につかなくなったり、といった、マイナスの行
動につながることを絶つ。相手がいる場合は、
より良好なコミュニケーションをとるための努
力をする。イライラをそのまま相手にぶつけた
ところで物事は解決しませんよ、というわけだ。
 私は外ではめったに感情的にならない。学校
で子供が悪者にされても、他のママみたいにキ
ーキーなることはない。そこはプライドなのか
もしれないが、
「あんたの子が悪い。」
と言われて、ムカッとしても、
「私たち、親が喧嘩しても仕方ありませんよ」
とか
「そうですか。そう思われるのはかまいません。
しかし、真実は、子どもたちが一番、知ってい
るのではありませんか。おそらく、当人以外の
同級生たちも、皆が事実を知っていますよ。
その結果、うちの子が悪いということもあるで
しょうが本当はどうでしょうか。」
と静かに冷たく言い放つことができる。
 しかし、一旦、感情が爆発すると、そのまま
行動に結びついてしまって、泣いたり怒鳴った
り、と、大騒ぎになるので、家の中では大変な
のだ。特に、子どもに対しては非常に非情に攻
撃的になる。
 そんなときにレジリエンスが役立つ。いつも
の私みたいに感情を殺すのではなく、感情を一
旦、受け止めて分析する。感情は、「悲しみ」、
「怒り」、「罪悪感」、「羞恥心、困惑」、
「不安」の5つに分類され、各々の感情がわい
てくる原因が決められている。そして、その原
因が正当なものなのか、自分の思い込みによる
ものなのかを分析し、より適切な行動をとるよ
うに努力することで、周囲との関係を改善する
という、非常に理論的な手法だ。
 米国では、親がドラッグ中毒や犯罪者で、自
身も犯罪者となった10代を再教育するときに
大きな成果を上げ、レジリエンスの教育を受け
た子供ほど再犯率が低く、学歴や収入や家庭環
境に関わらず、本人の思う幸せに到達できたの
だという。
 感情は理屈ではないから向かい合わなくては
いけない。私は子どもができるまで、そのこと
を忘れていた。理性的であろうとしてなれずに
衝突ばかりしていた。気付いたら子どもは中学
生になっていて、いつもイライラの感情をぶつ
けていたことを深く反省している。今も、やっ
ちまうことはあるけれど。
 昨晩、私は「悲しみ」を感じた。レジリエン
スによれば、それは、「喪失感」だ。わかりや
すい「喪失感」は、親しい誰かが亡くなったと
きや大切な誰かが去ったときのものだろう。
しかし、たとえば、「自尊心、自信の喪失感」
というのもあるらしい。今、私がそれを感じて
いるとすれば、はたして、それは正当な喪失感
だろうか。そして、その感情を受け止めて、次
にどのように成長すれば良いんだろう。「怒り」
も「悲しみ」も悪いことじゃない。それをどう
消化して、どう活かしていくのかが、今後、
生じるかもしれない大きなピンチを救ってくれ
るヒントになると信じている。

by akira_dai | 2016-10-31 08:38

AKIRAの日常、考えたこと、など。平凡です。