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頼もしい仲間たち

 10月は何かと周りでも家族でも騒動があり、油断を
すると塞ぎこんでしまう、という精神状態だったけれど、
自称モテ期のおかげで、優しく明るいお友達のおかげで、
病が悪化することもなく、鬱な気持ちが続くこともなく、
何とかやり過ごすことができた。ありがたいことだ。
彼ら彼女らは、特別な優しい言葉をかけてくれたわけで
もないし、私の愚痴を聞いてくれたわけでもない。ただ
ただその存在だけで励ましてくれる、それだけでありが
たい仲間たちである。と思っているのは私の一方的な片
想いかもしれないけれど、本当に彼らが元気なだけで、
ありがたいし心強い。
 私の友達には、前向きというか、たくましい人が多い。
だからといって他人の気持ちがわからない人たちでもな
い。愚痴をいえば慰めてくれるし、相談すれば親身にな
って共感してくれたり色々な提案をしてくれるだろう。
きっと諭してくれることもあるだろう。当人たちも、
それぞれが違う苦労をしてきたのだろうと思う。
 特に大学の友達は苦労人が多い。国立大学を出たとい
うと、「頭がいいんだね」とか「他人の税金を使いやが
って」とか、皮肉を言われることもあるのだが、当然の
ことながら、経済的に恵まれずに、大変な努力をして、
何とか国立に入れてやれやれ、、という人も少なくない。
そして私が卒業したような中堅の国立大学は、「絶対に」
「現役で」「国立大学に入るしか進学の手段がない」と
いう人が結構いる。浪人するわけにいかないから、東大
や東工大を受験するのはちょっと躊躇する、というよう
な人たちだ。
 早い時期に父親を亡くした、親が離婚した、という同
級生も珍しくない。特に地方出身者の中には、想像を絶
するような貧しい友達もいた。色々な葛藤もあり、それ
ぞれが、自分の努力で進学を勝ち取り、現在までそれぞ
れの道を歩んでいる。一流企業に就職した人もいれば、
好きな道を選んでフリーで活躍している人もたくさんい
る。どちらを選んでも違う苦労があるし、ちょっと愚痴
を言うこともあるけれど、基本的にたくましい。苦労と
いえば経済的な問題だけだったやわな私は、そういう彼
ら、彼女らと話すだけで、接点があるだけで勇気が出る。
 特に感心するのが、2人の女友達だ。1人は元々お父
さんがいなかった。だから、母親から、
「進学するなら国立。妹の高校のこともあるから、国立
に入れなかったら働いてもらう」
と言われて一生懸命勉強して現役で合格した。働いて
いる母親を見てきたから、当然、自分も一生働く気で
就職をして、今も3人の子どもをもちながらフルタイ
ムで働いている。家事を何もしない旦那のことをぶつ
ぶつ言うことはあるが、愚痴を言いながらも爆笑して
いる。
「もーさ、何もやらないわけよ。しかも受験生の前で
携帯ゲームとかしちゃってさ!結婚相手を選ぶの失敗
したよー。違う人にすれば良かった!で、私もこんな
だから家の中はぐちゃぐちゃよー、ははは!」
ってな具合だ。昔から、(お父さんがいない女子って
たくましい)とは思っていたが、彼女を見ていると
本当にそう思う。一時期は妹も扶養していて、そりゃ
ぶつぶつは言っていたけれど、その将来も案じていた。
自分がリストラされる心配をいつもしているが、仕事
を辞める気はさらさらない。女が働かないリスクを肌
身で知っているのだ。
 同様に女が働かないリスクを知っている女友達が
同じ大学にもう1人いる。彼女は、高3の夏休みに、
突然、
「離婚するから、あんたは国立しか行けないよ」
と母親から宣言された。それまで彼女は裕福で、中
学から名門私立女子校に進学し、エスカレーターで
その高校に進んで何の苦労もなくお嬢様的な生活を
しており、大学もふつうに、私立の受験を考えていた。
最悪は、その女子大か短大に進学すれば良いとも思っ
ていた。ところが、突然、受験生の天王山である夏休
みに、「国立しかダメ」と一方的に宣言され途方に暮
れた。妹が2人いて、すぐ下の妹は同じ私立高校の1
年生だったので何とか卒業させなければならなかった。
私立にしぼって勉強してきたから、自分が勉強して
きた科目だけで受験できる都内の国立大学を調べた。
そもそも都内というだけでかなり選択肢は狭まる。
受験できるのが、私と同じこの大学しかなかったの
で、受験傾向を調べて、方針を変えて、夏休みから
一生懸命、共通一次向けの勉強をしたのだという。
 彼女も非常にたくましい。卒業後、彼女はリスト
ラによって無職になり、その時期に、ご主人が膵臓
を患って大手術を受けることになった。私だったら
ストレスでくらくらしてしまう。しかし、そのとき、
彼女はひたすら怒りながら笑っていた。
「もーさ、やってられないわよ。ファイヤーされた
上に、毎日、病院通いでさ、転職活動しながら通院
して、そりゃ大変だよ。でも、一番、頭にくるのは
やっぱりリストラだよ。ま、がっぽり退職金もらっ
たから、いいんだけどさ!」
というようなことを、面白い「たとえ」を入れなが
ら、がんがん勢いよく話すのである。同じ大学の
男どもも呼んで大勢で飲んだときにも彼女はその
調子で「明るい愚痴」をふりまいて、「ファイヤー」
が内輪の流行語となって大いに笑った。何だか花火
みたいだ。
 結局、転職に成功した彼女は、今や女性管理職と
して日本中、世界中を飛び回っており、出産適齢期
にはちょっと悩んだこともあったようだが、相変わ
らず元気に自由に活躍している。子どもがいないこ
ともあり、ご主人とは今でもラブラブだが、常に
「離婚」の2文字は念頭においているし、頼りない
妹たちの面倒も見ないといけないかな、とどこかで
考えていて、常に勉強して、どんどん出世する。
 この2人の友達は、自分の不幸を面白おかしく、
ネタのごとく話す。唯一、笑えないのは親の死や
介護の話だが、それだって、その後のバタバタと
か、妹たちの頼りなさ(2人とも長女)とか、も
う笑って泣けるコメディ映画か!と思うくらい面
白い。ある意味、いい加減である。そして、不幸
な波乱の時期が過ぎると、必ず、
「あのときは大変だったけれど、結果的には良か
ったと思う」
と言うのだ。悪いことがあったおかげで得たもの
も多いし、知らなかった世界を経験できたという
わけだ。私も色々あったし、バタバタしたし無駄
と思われる努力もいっぱいしたけれど、そうだよ
ね、良かったよね、と思うことが多いから共感する。
 最近、この2人には会っていないけれど、その他
の友達も、男女問わず、面白くてたくましい人が多
い。学生時代は同級生のほとんどが貧乏で、電気も
ガスも水もままならない友達が珍しくなかった(さす
がに水まで止まったのは数人だけど。)。努力して大学
に入って就職したものの、今や失業は普通だし、難病、
相続、介護、子どもの障害で大変な友達も少なくない。
私だったらすべてを投げ出したくなる。でも、彼らは
現実を受け止めて、頑張りすぎずに、できることをや
って、仲間と関わって笑っている。
 一見たくましそうで実はへたれな私は、そんな連
中の「存在」にいつも励まされている。そして、皆、
何も言わないし何も聞かないけれど、とても優しい。
だから私も頑張りたいし、彼らみたいに優しくなれ
たらいいな、といつも思っている。

by akira_dai | 2016-11-02 09:57

AKIRAの日常、考えたこと、など。平凡です。