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私の好きな彼女

10月で自称モテ期は終了し、11月はひたすら控えめ
に入れたスケジュールをこなすつもりが、先ほど、
土曜日に遊びに来る予定だった、高校時代の友達の
Aちゃんから
「熱が出たから行けないかも」
とメッセージが入った。急激に寒くなったので、風邪
がはやっている。熱が下がってから予定を仕切りなおす
ことになった。
 予定がなくなるのは残念だけれど、緊張感が薄れると
いう点ではホッとする。それで、いつものように散歩に
出たら、携帯にショートメールが届いていた。やはり
高校時代の友達である、Xちゃんだった。今度、高校の
同窓会があるので、AちゃんもXちゃんも、
「akiraちゃんは参加する?」
と、先月、メールをくれたのだった。2人に対して
「体調が悪いからやめておく」と返事をして、すっかり
同窓会は予定からはずしていたのだが、Xちゃんが、
「受付やるから、昼だけでも来ない?X時~△時だよ。
先生も来るよ」
と優しく誘ってくれた。嬉しいなー。でも、自信がない
なあ。
 高校の友達は5~6人のグループで、似たものどうし、
というか、さばさば系というか、そのうち半分は独身だったり
子どもがいなかったりして自由だ。Xちゃんも独身だ。でも、
私は今日、突然、思いだした。彼女はバツ1だった。バツ1と
いうことを忘れてしまうくらい短い結婚だった。
 Xちゃんは、中山美穂をもう少しきつい顔にしたような美人
だった。私の高校は別学といって、男子校と女子校が同じ敷地
にあって、部活だけ男女一緒という学校だったので、バレー部
でマネージャーをしているXちゃんは男子から人気があって、
一緒に歩いていると、
「Xちゃーーん」
と男子部から黄色い声があがるようなモテぶりだった。男子部
に一人も知り合いがいない私には驚異だった。
 当然、すぐに彼氏ができて、その彼と2人で帰るようになっ
たのだが、Xちゃんは女友達と一緒にいたかったみたいで、
「蟹座の男って嫉妬深くて独占欲が強くて嫌よね。もう、
やめようかしら。」
と、よく私に愚痴を言ってきて、それがきっかけでものすごく
仲良くなった。というのも、当時、私にも、週に2回ほど会う、
一応、彼氏「みたいな」人がいて、その彼も蟹座だったので
(これをお読みの皆さんの中には、その彼をよくご存知の方
もいることでしょう)、蟹座の男子と親しくしている者どうし、
という、ただ、それだけで、何となく話が合ったのだった
(というより、私は話を大げさに合わせていた)。
 結局、Xちゃんは、まじに彼氏のことが嫌になって、
さっさと別れた。私は、自分の彼氏「みたいな人」と会
い続けていたので、何だか申し訳ない気がしたけれど、
Xちゃんは、彼と別れて生き生きとして、どんなに彼の
ことが嫌だったか、という話で大いに盛り上がった。
 それ以降は卒業まで、いつも私たち女子グループと一緒
にいるようになった。が、Xちゃんはそのきつい顔立ちで
思ったことをずばりと言うので、よく誤解を受けて、同じ
仲間の中で何かと陰口を言われることも多かった。
 本当はものすごく純情で、人見知りで、傷つきやすくて、
優しいのだが、その顔だちと「言い方」のせいで、「気が
強い」「わがまま」「高飛車」と言われてしまう。社会に
出てからも、何回か、私の同僚と遊びに行ったことがある
のだが、
「どうしてもakiraちゃんと同じ車でないと嫌だ」
とごねて、男の人たちから、
「わがままじゃね?オレ、あの子、無理!」
と言われてしまったこともある。しかし、わがままという
よりは人見知りで、私がいない男の人ばかりの車にいられ
なかったのだ。シャイすぎるのだ。しかし、顔だちがきつ
くて小奇麗なので、純情なところや優しいところに気付い
てもらえない損なタイプだ。
 高校時代の仲間うちでも、他の女子はXちゃんのことを
「苦手だ」「化粧が濃い」などと悪く言うことがあるけれ
ど、Xちゃんは他の子の陰口を言ったことは一度もない。
ずばり、と、直接、言うことはあっても陰口を言うような
子ではなく、本当に気立てが良くて優しいところがあって、
私は大好きなのだ。(と言うと、仲間内で角が立つので
最近は別々に会うようにしている)
 そのXちゃんが、20数年前、土曜日の夕方、突然、
電話をかけてきて、
「結婚するんだ」
と教えてくれた。結婚ラッシュの年頃だったから、普通に、
「いつ?」ときいたら、「明日だ」と言う。
「はーあ?明日?!どうして招待してくれなかったの?
早く言ってよ。内輪だけの披露宴なの?」
というようなことをきいたと思う。そしたら、暗い声で、
「だって嫌なんだもん、結婚したくなかったんだもん。
もう今から行方不明になりたい。」
というようなことを言った。前から付き合っていた彼が相手
だったにも関わらず、その後、聞いた話はちょっと可哀相だ
った。大人だから本人に責任があると言っても、結婚式前日
にするような話じゃなかった。
 電話を切る前に、Xちゃんは、
「akiraちゃんさ、『卒業』の映画みたいに、明日、結婚式場
に来て、私の手をとって逃げてくれない?」
と言った。
「そりゃ、そうしてあげたいけれど、さすがに無理だよ。いや、
できたら、本当にそうしてあげたいけど・・・もっと早く相談
してくれたら、何かできたかもしれないのに。」
と答えたら、
「じゃ、明日、お願いね。」
と言ってXちゃんは電話を切ってしまった。
 結婚式は無事に終わったらしいが、その年明けの年賀状では、
もう旧姓に戻っていた。
 離婚祝いと称して2人で会ったとき、Xちゃんは生き生きと
していた。どうして結婚が嫌だったかとか、離婚の理由とか、
離婚するまでの大変さとかいっぱい話をしてくれた。盛り上が
った。蟹座の彼と別れたときと同じように大いに盛り上がった。
 今度の同窓会のことで、最初に連絡をくれたのはXちゃんだ
った。Xちゃんは命にかかわるような大病をしたのだと言う。
だから会いたいのかもしれない。私がなかなか外出できないの
だ、と言ったら、Xちゃんも、
「そちらに私が行ってもいいよ。」
と言ってくれた。そのXちゃんが、同窓会で受付の仕事をする
から、「顔を出さない?」と無理強いするわけでもなく、優しく、
誘ってくれる。
 嫌なことは「いやだ」とはっきり言うくせに、受付みたいな
地味な仕事を引き受けるところも相変わらずだ。優しいのに
誤解を受けてしまう損なXちゃんに会いたいな、と思う。
会えたら何の話で盛り上がるのかな。もう、恋愛や結婚の話は
ないのかな、実は、結構、あるんじゃないの?
 なんて考えながら、何とかXちゃんに会えないものか、と、
自称モテ期の終焉を迎えながら、検討している私です。



by akira_dai | 2016-11-07 22:06

AKIRAの日常、考えたこと、など。平凡です。