言霊の正体?!

 20年以上前、まだ携帯が存在しなかった頃、
自宅の固定電話で、付き合っていた人にさんざん
家族の愚痴を言っていたら、母から、
「他人に我が家の恥を言うな」
とひどく叱られたことがある。私は自分の家族が
大嫌いだったし、当時は、その家族よりも彼の方
が大事で信頼していたから、家族の悪口を彼に言
うことが当然の権利だと思っていた。あれは、親の
都合で家の恥が外に漏れるのが嫌だったんだろう、
と今でも確信しているけれど、先月、色々な人の色
々な相談や愚痴を聞いていて、自分も色々言いたく
なって、(ちょっと、まずいかな)と感じたことが
ある。
 「言霊」というと、何だかスピリチュアル的な宗
教めいた怪しいイメージがつきまとうが、もしかし
て、もっと身近でもっと誰もが実際に経験したこと
があるのではないか、と思うようになった。調べて
みたら、「言霊」とは言葉に宿る霊力のことで、こ
れだけ見ると非常に迷信っぽいけれど、現実的には
「良い言葉を発すると良い事が起こり、不吉な言葉
を発すると不吉な事が起こる」という単純な論理。
宝くじが当たる、とか、明日死んでしまう、とか、
そんな極端なことはそうそう簡単に起こらないと思
うけれど、例えば、ピンチのときに
「大丈夫、大丈夫」
と思うだけでなく口に出すことで落ち着いたことは
ないだろうか。
 で、ここのところ離婚やら転職やら、色々な変化
が私の周りの人々にあったわけだが、そういう大き
な決断をする前には、誰だって悶々と悩むわけで、
その前に、親しい人に、
「もう離婚しようかと思う」
とか
「会社を辞めようと思う」
なんてことをもらしていることが多い。それを聞い
た相手も、ふーん、そうなんだ、で、会話を終わら
せるわけにいかないから、「どうして?」とか、
「こんな事情があるの?」とか、掘り下げてきこう
とする。そうすると、「離婚する」「転職する」と
いう理由が正当化されてきて、「~しようと思う」
が、「~する」という決断に即座に変化する気がす
る。
 恋愛もそうだ。中学や高校で覚えがないだろうか。
何か最近あの子が気になる。別にどうってことはな
いけれど何となく意識している。それをそのまま放
置しておけば知らないうちに過ぎてしまうものを、
誰かに、
「あの子が気になるんだけど・・・」
なんて口に出してしまったら、もう、決定的。
それまでもやもやと気になっていただけの相手のこ
とが「好き」と思い込んでしまう。
「あの子が好き」なんて相談してしまったら、それ
までは軽い気持ちだったのが完全なる恋になってし
まう。それが勘違いだとしても。
 頭の中でもやもやぼんやりと考えていることや悩
んでいることを言葉にすると、それが急激に現実に
なって、右か左かで悩むことはなくなって方向性が
定まってしまうのは、もしや、「言霊」の一種なの
では。
 だから、好きとか嫌いとか結婚とか離婚とか退職
とか、他人や人生に影響しそうな話は慎重に口に出
した方が良い。ラインやメッセージでもちょっと危
ない。言葉として音にしたらもっとリアル。
 でも、逆に良いこともある。もやもやと悩んで、
何だか自分の考えも気持ちもぐちゃぐちゃになった
時に、何でも良いから他人に話すと、ぐちゃぐちゃ
がだんだん形を成してきて、自分が本当は何が欲し
くて何が一番困っているのかを整理することができ
る。それは会話の効果だ。人に相談する目的とメリ
ットは、適切なアドバイスを言ってもらえることで
はなく、自分自身の考えを自分が整理できることだ。
だから、人に考えていることを話すとスッキリする。
重要な決断の前には、整理が必要。そのために、
「言霊」らしきものを利用するのも良いかもしれな
い。「こう思っている」「こうしたい」「こうなっ
てはほしくない」ということを。
 まあ、誰かに相談したり愚痴を言ったりすること
はないとしても、とりあえず、不吉な言葉は使わな
いように、皆さんもご注意ください。

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by akira_dai | 2016-11-15 17:06

AKIRAの日常、考えたこと、など。平凡です。