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笑った、葬式

 先日、親戚のお婆ちゃんが亡くなって、昨日が
通夜、今日が葬儀だったのですよ。出棺のときに
はもちろん泣きましたが、それと同時に、こんな
に笑った通夜&葬儀は初めてかもしれません。
確かに私にとってはちょっと遠いお婆ちゃんです
が、喪主とその弟、さらに残った爺ちゃんのやり
とりが秀逸。(あんたらコントを演じてるのか?)
という感じです。
 例えば、司会進行役のお姉さんが、
「お婆ちゃんは旅行が好きだったんですね。その
ご旅行は、やはりご主人様と一緒に・・?」
と言い終わらないうちに、爺ちゃん本人が、
「いえ!それは全然ないっ!」
ときっぱり否定。聞いていた周囲は苦笑爆笑。
さらに、
「どんな、お人柄だったんでしょうか?」
ときかれれば、爺ちゃんが、
「もう、気がつえー(強い)、つえー」
と手のひらを顔の前で左右にひらひらふって、
そりゃ言い過ぎだと思った周囲が、
「気が強いというか、まあ、気丈な人です」
と言い直したりして、それだけでもコントです。
 しかも、この爺ちゃんがボケているものだから、
すぐに、ちょっと前のことを忘れてしまう。
元来、爺ちゃんはサービス精神旺盛な営業さんだ
ったから、お酒を勧めるのが大好き。それで精進
落としのときに、
「ほら、ビール飲んで」
とビール瓶を傾ける。傾けられた客人は、
「あ、僕、車だから」
と断る。爺ちゃんは、
「あ、そーなの?」
と言って、ビール瓶をテーブルに置いた直後に、また
ビール瓶を持って、
「ほら、ビール飲んで」
「だから、僕たち、皆、車なんです。」
「あ、そーなの?」
で、またビール瓶を置いて、すぐに持って、、、なん
て、やってるうちに、爺ちゃんの息子が切れて、
「爺ちゃん!皆、車なの!ビール、飲めないの!・・
・・・・婆ちゃんと一緒に燃やしてーえ」
と愚痴る。
そんなこんなで斎場で自由すぎる爺ちゃんに振り回さ
れてイライラする近親者から、
「爺ちゃん、絶対、長生きだな。死なねーな。」
と冗談まじりに言われていることも、当人はつゆ知らず、
ちょっと関係の遠い私がお世話すると、
「akiraさんが優しいから、あと10年は生きられるよ」
とノーテンキに言ってるのにも爆笑。
 解散のときは解散のときで、客人たちがぞろぞろ
廊下に並んでいると、平屋の建物なのに、爺ちゃん、
「こんなにいっぱいじゃあ、エレベーターに乗りきれ
ないな」
なんて呟いているし、焼き場から帰るのに、
「バスじゃなくて、息子さんの車で帰りますよ。」
と説明されているのに、もちろん、バスに乗ろうと
します。再び説明すると、「あ、そっか」と納得す
るんだけれど、また、バスに乗ろうとする。そこで、
また
「だから、車に乗るんですよ。一緒に乗りましょうね」
と言うと、
「あー、そーか、そーか」
と後ずさりして、後ずさりしてから、同じだけ、前進
して、また、バスに乗ろうとする。まさにボケてるわ
けです。
 家に帰ると、さっきお弁当を食べたばかりなのに、
「腹が減った」
と冷蔵庫を開けて食べ物を探して、イラッとしてい
る家族から、
「食ったばっかりだろ!」
「絶体、食うな!」
「食い過ぎだぞ!」
と叱られます。しかし、爺ちゃん、成長期の少年の
ごとく、「うっせー。腹が減ってるんだ!」などと
怒鳴りながら、それでも遠慮がちに、供物の果物の
中からバナナを2本、さらに、きんぴらごぼうなど
のお惣菜を部屋に持っていってこそこそ食べて、さ
て、いよいよ、家から親戚一同が帰る時間、解散と
いうときになったら爺ちゃんの姿が見えない・・・。
「一体、どうしたんだろう?」
と心配して爺ちゃんの部屋のドアを開けると、灯りも
つけずに真っ暗な中で、ベッドの上で腹をさすって、
「いてー、いてー」と痛がっている。
 呆れた息子は、その姿を見なかったかのように、ド
アをバタンとしめて、偉大な魔法使いのように、
「苦しむがよい!」
と一言。これまた爆笑です。
 そんなわけで、お葬式とは思えないほど、笑った
2日間でした。
「いやー、まさに天然ボケだな。」
と帰宅してからも、爺ちゃんの話題で盛り上がりま
した。パパが言うには、その爺ちゃん、葬儀の前に
色々用事があって、久しぶりに息子と2人きりで買
い物に行ったらしいのです。そのときの息子との会
話がまた秀逸!
「こうして親父と歩くの、何年ぶりかな・・。」
「・・確かに久しぶりだなあ・・60年ぶりだなあ」
と爺ちゃん、しみじみ。いい話だ。でもね、爺ちゃん、
息子の年齢は56歳なんです。
「60年前、息子、いねーし!」
と、また、私たちは涙が出るほど、爆笑したのでし
た。
「きっと、この話を亡くなったお婆ちゃんにしたら、
一緒に大爆笑するだろうね。」
と大いに笑って大いに泣いた昨日と今日でした。

by akira_dai | 2016-12-18 23:41

AKIRAの日常、考えたこと、など。平凡です。