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スパイがいるんです

 先日、メッセージの通知がチリンと1回だけ
鳴ったので開いてみたら、

 A社がB社を買収

という英語の新聞記事が貼り付けられていまし
た。そして、その記事の下に一行だけ、
「知り合いが10人くらい、いるな」
と書いてありました。まったく、そっけないメッ
セージです。既に相手はオフラインになっていま
した。何だか時代劇に出てくる間者みたいです。
重要な情報だけ渡して、サッと消える。ちょっと
笑ってしまいました。返信する必要のないメッセ
ージだったけれど、「既読スルー」と思われると
嫌だな、と思って、
「外資は色々変化が多くて大変だよね」
とだけ返信しました。もちろん、あちらから返信
はありませんでした。
 このメッセ―ジは非常に簡潔で、関係者以外に
はまったく意味のわからない内容ですが、私と彼
には共通のベースがあるので、彼が何を言いたか
ったのかが、その記事と一行のメッセージだけで
わかります。A社は、その昔、B社に一部の組織を
売却した経緯があります。だから、そこに知って
いる顔が10人いるわけで、その10人が誰なの
か、大体、私もわかります。
 彼が言いたかったのは、
(こんなに似たような買収、売却を繰り返してて、
あの会社、Decision、大丈夫なの?)ということ
と、(あの10人も大変だよね)ということでしょ
う。おそらく、彼は、その10人のうちの誰かと
会って、また新しい具体的な情報を仕入れてくる
でしょう。そして面白い情報であれば知らせてく
れると思います。
 そんなこともあり、私はふと、自分のモテ期の
理由がわかった気がするのです。今回は、たまた
ま、複数の人たちからの連絡が重複したけれど、
要は、紅一点である私には意外と「くだらない」
情報が集まっていて、時々、それがある人にとっ
ては「非情に重要な」情報になることがあるんで
す。
 例えば、
「今度、仕事でA社と付き合うことになったんだ
けど、A社に就職した同級生、akira、今も交流あ
る?」
とか
「B社に転職したんだけど、昔、○○さんがB社だ
ったよね。akira、知ってる?」
とか、そんな具合で問い合わせが入ることが希にあ
るのです。個人情報は本人に確認するまで教えませ
んし、会社の機密情報は絶対に漏らしませんが、例
えば、今回のように英字新聞に公開されているよう
な情報は、飲み会で、
「そういえば、A社ってB社を買収するんだよね。」
と話したりします。そうすると、
「どうして、A社にいる俺たちが知らないような
情報をakiraが知ってるの?1」
と一目おかれます。私はそういう時は、
「スパイがいるの」
とニヤニヤしています。他にも、仲の良かった同期
や同級生が転職した会社の社風、彼らが現在いる会
社の状況、そういう情報が、「世間話」や「近況報
告」として私にはちょこちょこ入ってくるのです。
もしかしたら、わざわざ会いに来てくれる人たちは、
そういう情報を面白がってくれているのかもしれま
せん。そして、彼らは、自分に変化があれば、必ず、
「今度、XXに転勤になったよ。同窓会とか何かあ
る場合は連絡してね」
とメールをくれます。彼らは気軽な近況報告のつも
りでも、いつか、その情報が役立つことがあるとい
うわけです。
 ちょっと前に、同級生が亡くなったとき、今や出
世してかなりの有名人になった同級生が、
「学科の同級生の情報はakira頼りだな。わかるか」
と言ったのには驚きました。案外、男同士というの
はよほどグループ内で親しくしていない限り、交流
がないのです。
 あちらこちらからメールやメッセージをもらって
自称モテ期で喜んでいましたが、当然のことながら
下心のまったくない人脈です。しかし、先ほどの無
愛想な、間者のようなメッセージもありがたい。そ
れがあるからこそ、私は主婦でありながら、同級生
や元の会社の同僚と会ったときに、
「あの会社にスパイがいるの。」
と笑っていられるんです。
 

by akira_dai | 2017-02-06 21:49

AKIRAの日常、考えたこと、など。平凡です。