「春の嵐」

 おとといは「春一番」が吹き荒れて花粉が
多くてまいりました。そして、昨晩も強風と
雨で、まさに、これは春の嵐です。
 ヘルマン・ヘッセの小説に「春の嵐」とい
う小説があります。ヘッセといえば、何より
も「車輪の下」が有名です。私は小学生の時
に、この「車輪の下」と「春の嵐」を連続し
て読みました。
 「車輪の下」は、皆さんがご存知のように、
田舎で村中から「天才だ、秀才だ」とあがめ
られた優秀な少年が、都会の進学校に入学し、
そこで初めて出会った、自分よりも優秀で洗
練された同級生たちに圧倒され、どんどん自
信を失って落ちぶれて、最後はまさに「車輪
の下」になってお亡くなりになる話です。ま
ったく救いようがありません。そして、「春
の嵐」の方は、実はほとんど忘れてしまった
のですが、印象としては「車輪の下」ととて
も似ていて嫌になりました。やはり周囲から
将来を期待された、音楽の才能に溢れる少年
が、事故に遭遇して身体障害者になり、絶望
しそうになる話です。彼は前向きにオペラの
道に進んで、同じ音楽の道を志す親友とも出
会えるのですが、初恋の相手を彼に奪われ、
しかし、その2人を静かに見守る一生を選ぶ、
という、これまた、何も希望のない暗い話で
した。
 しかし!今は便利な時代ですね。この「春
の嵐」についてネットで調べてみたのです。
そしたら概ねの内容はそんな感じですが、ど
うも、その「2人を見守る一生を選ぶ」とこ
ろに精神的かつ哲学的な意味があったらしく、
決して暗いとばかりは言えない「美しい」小
説らしいのです。もしかして、今、読んだら、
全然違う印象を私は抱くかもしれません。読
んでみようかな・・・しかし、ヘッセのよう
な古典的な暗い話を読む体力が今の私にある
だろうか?
 これは読書の醍醐味で、読む年齢によって
感じること、理解できることが、大きく変わ
っていきます。しかし、読書好きの私でも、
1冊の本を何回も繰り返し読むということは
なかなかしません。けれども、ませていた私
は、どうも読むのに早すぎた本がたくさんあ
るように感じています。「春の嵐」も、本当
は高校生くらいで読んだ方が良かったかもし
れない。有島武郎の「生まれいづる悩み」も
小学生のときに途中まで読んだら、まったく
意味がわからず、担任の先生からも、
「それは、まだ早すぎる」
と言われて、それっきりです。そんな風に中
途半端に読んでしまうと、大人になるまで読
む機会がなかったりするんだなあ。でも有島
武郎も今や古典的で難解かも。若くないと読
めないかもしれません。1つ興味深い点があ
るとすれば、有島武郎さんは、あの「失楽園」
のモデルです。最終的には不倫相手と心中す
る、という劇的な最期を迎えています。「生ま
れいづる悩み」を読んだら、作者が胸の内に秘
めていたそのあたりの繊細な心の片鱗を感じら
れるのかしら。ま、その不倫とはまったく関係
ない内容らしいですけどね。
夜中に外で吹き荒れる風の音を聞いていたら、
小説「春の嵐」を思い出して、子供の頃に読
んでも意味のわからなかった本のことを思い
出しました。そうか、こんな風に当時手に取
った本のタイトルと内容の印象を思い出すの
も、この年になると懐かしく、ちょっといい
想い出だなあ。とりとめがない内容ですみま
せんでした。「春の嵐」を再読したら、読書
ブログの方でご報告しましょう。
 

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by akira_dai | 2017-02-19 02:49

AKIRAの日常、考えたこと、など。平凡です。