悔し泣き

 息子の親友の双子のF君とH君が不登校に
なって半年以上が過ぎた。不登校の同級生に
関する噂が良いものであるわけがない。
 昨日、息子が、試験前だというのに、リビ
ングで寝てしまって、起きたら夜の9時だっ
た。息子は時計を見て、
「あ!Fに電話しないと!明日の時間割を伝
えるんだ。でも、もう遅いか・・・」
と、うなだれている。
「明日も来ないだろうし、無理して、こんな
時間に電話をしなくても良いんじゃないの?」
と慰めたら、
「あいつが学校に来たら楽しいはずなんだ。
それに、皆があることないこと酷いことを
言うんだ。特に隣の小学校出身のやつ!オレ
は我慢できない。」
と言う。聞いてみたら、例えば、誰かの制
服が汚れると、
「どーせ、Fは来ねーんだから、Fの制服、
もらってこいよ!」
とか
「Fはもう一生来ないよ。ずっと、中学生
のままなんじゃねーの?」
とか
「学校に来てないから、きっと、今頃、
こーなって、あーなってるんじゃねーの?」
とか、あることないことを言って、数人の
男子が笑っているというのだ。
 かつて、小学生のときは、双子は2人と
も運動神経が良く、いつもリレーの選手で、
騎馬戦でも大将で、書初めも最も上手で器
用で、F君の方は穏やかな性格だったから
女子からも一番モテてていた。両方ともリ
ーダーシップがあって、特にH君の方はや
んちゃで口も腕力も誰にも負けなかったの
で、息子はいつも2人を頼りにしていた。
やんちゃで元気で、時には意地悪もするけ
れど、根が優しくて強かった。そんな2人
が、別の小学校から来た連中からバカにさ
れて笑われるのが息子は悔しくてたまらな
いのだ。
 そして私も悔しくて、心ない言葉をたく
さん聞いているうちになぜか泣いてしまっ
た。いつものことだが、一度、泣くと止ま
らない。驚いたのは息子である。
「母ちゃん、泣いてるのかよ!」
「だって、あまりにも悔しいじゃないの」
 F君とH君は万能だったのだ。やんちゃ
だったのだ。誰よりも強くて、男の子らし
い悪ふざけもあったけれど、根が優しくて
いつも息子の味方だったのだ
「登校できない弱っている子を笑うなんて
最低だし、そもそも、その子たちはFのこ
ともHのことも何もわかってないんだから、
放っておきなさい。同じ小学校の子たちは、
例えばS君はどうしてるの?一緒に、言っ
てないよね?」
ときくと、
「Sのやつも憮然として黙ってるよ。」
と。それを聞いて、少しホッとした。彼ら
は元来人気者なのだから味方もいっぱいい
るはずだ。同じ小学校出身の男子たちは、
皆、息子と同様に悔しい気持ちでいるに違
いない。
 つい感情的になってしまった私は、誰か
にその気持ちを言いたかった。
「ひどいよね」
と共感してほしかった。けれど、残念なが
ら、私にはそういうママ友がいない。連絡
できるママ友はいても、どのママも、
「可哀相にね、心配ね。」
と眉をひそめるタイプで、怒るタイプでは
ないのだ。私は一緒に怒ってほしいのだ。
 もうすぐ3学期も終わってしまう。2年
になったら絶対に来てほしい。私は彼らが
大好きだし、尊敬してるし、将来に期待し
ている。彼らがバカにされるのが本当に悔
しくてたまらない。悔し涙を流すなんて、
中学のときの合唱祭で2位になったとき以
来だ。ここ数年の涙は、悲しいとき、嬉し
いとき、笑いすぎたときだけだったのに。
 双子たちよ!お願いだから早く登校でき
るようになって、おばちゃんを安心させて!
でないと、おばちゃんはまた泣いてしまい
ます。何かできることはないものだろうか。
こういう時は何もできない自分に本当にイ
ライラする。小学生のときのように、決ま
った曜日に家に遊びに来てもらおうか。必
要とあらば勉強も教えますよ。しかし、あ
まりおせっかいもできない非常に繊細な問
題なのであった・・・。もう神頼みしかな
い。多くの友達を幸せにしてくれた神社に
祈願だな・・・。

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by akira_dai | 2017-02-22 23:32

AKIRAの日常、考えたこと、など。平凡です。