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得意科目も彼にはかなわなかった

 ひょんなことから人の運命とは大きく変わる
もので、私が理系に進んだのは、親の強力な勧
めによるものではありましたが、いくら親だっ
て、まったく理系科目ができない娘に理系進学
を勧めたりはできません。「理系科目は苦手だ」
と言いながら、中学でも高校でも、理科と数学
が5だからこそ、理系に進学できる可能性があ
ると考えて、
「文系でなく理系に進学」
と親も気楽に勧めたのでしょう
 ところで、私は中1の最初は、ほとんどの科
目が平均点前後で、主要5教科は、国語以外は
すべて3でした。3学期になって英語が5にな
り、国語と英語が5という、非常に文系女子ら
しい成績になって、それで満足すれば良いとこ
ろを、中2になったときに、何とかもう1つ5
を増やしたい、と考えた私は、苦手な数学は捨
ておいて、理科か社会のどちらかを5にするた
めに、そのどちらかを捨てよう!と決意したの
でした。それで、どちらを採るのか、、、少々
悩んだのですが、何となくその時、習っていた
オームの法則が面白かったので、理科をとって
社会は「捨てる」ことにしたのでした。おそら
く、ここで、私の理系進学という運命が決まっ
たと思います。
 5をとるには95点以上をコンスタントにと
らねば!と考えて、まさに隙なし、というくら
いに「理屈」を勉強しました。暗記ではなく、
理屈からボトムアップしていって用語を覚える
感じだったでしょうか。その結果、中2の2学
期以降は、理科に関しては、多少、失敗しても
常に90点以上をとれるようになったのです。
それに引っ張られるように数学も少しずつでき
るようになりました。
 ところで、中学は、今でもそうですが、中間
期末のテストの得点の人数分布がヒストグラム
で示されたものが配布されます。英語と国語と
理科は、私はいつも、ヒストグラムの一番右側
にいたので、そこに含まれる人数は10人未満
で、理科に関しては5人未満ということも多く
ありました。理科に関しては95点を超えるこ
とが多かったので、ほとんど私の上位はいない、
と思われ、その成果によって、暗黒時代だった
私の中学時代は何とか支えられていたと思いま
す。英語や国語は才能かもしれないけれど、才
能のない理科でも自分はトップレベルになれる
のだと。ところが!ところが!です。
 中3の1学期だったか、2学期だったか忘れ
ましたが、あるテストのとき、私と席が近い、
地味な男子の理科の得点が私より上だったので
す。それがどうしてわかったのかよく覚えてい
ないけれど、たぶん、席が近かったから、テス
トが返された時に彼のテストの点数が見えてし
まったんだろうなあ・・・。
 実は、それまでも、ヒストグラムの分布に、
90点以上の人数が2人しかいないときが時々
あって、私はいつも、それが誰なのか気になっ
ていました。そして、他のクラスの知らない人
だろう、と勝手に思っていました。まさか同じ
クラスに私を含めて理科のトップ2がいるとは
想像していなかったんです。しかも、こんなに
近くに!
 身近に自分以上に理科ができるかもしれない
人間がいることにも驚きましたが、何より、彼
には文才があって、(きっと文系タイプなのだ
ろう)と思い込んでいたから、余計に驚きまし
た。無口で地味で、けれども、非常に面白い文
章を書く人だったんです。
 私はそのときは驚いたくせに、その後、どこ
か腑に落ちて、(ああ、なるほど。彼もきっと
私と同じように本を読むのが好きで、理科も好
きで、彼は、私よりもずっと頭が良いのかもし
れないな)と、読書好きでありながら理科も好
きそうなところにシンパシーを感じて、納得し
たものです。そして、彼にはかなわないな、と、
でも、彼なら良いかな、と妙な安堵感を覚えま
した。
 彼とは話したことがありません。でも席が近
かったから、もしかしたら、掃除のときとか、
要件を伝えるために口をきいたことがあったの
かしら。あの時の衝撃は忘れられず、今でも彼
のことを尊敬しています。地味で無口で控えめ
だけれど、ものすごく頭が良くて冷静で、中学
生らしくない中学生だったなあ、と、時々、思
い出すのですよ。

by akira_dai | 2017-04-03 20:03

AKIRAの日常、考えたこと、など。平凡です。