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占い

 最近になって、時々、ふと思い出すのだが、
(いやーあ、あの占い、当たっていたよなーあ。)と、この年になって思い出す
ことがある。
 大学二年の秋、ほとんど毎日のように渋谷でぶらぶらしていたのだが、
もうすぐ終電、帰る、という時間に、仲良しの友達と一緒に、何となく、手相
占いに足をとめた。渋谷センター街のちょっと横に入った細い道に、3、4人、
小さな机を出している手相占いを見つけたのだ。「ナントカの母」みたいに、
当たることで有名なわけでもない、地味な占い師が並んでいた。
 3、4人いたのだから、どの占い師に見てもらってもよかったのだが、本当
にこれまた何気なく、丸い帽子をかぶった和服のお爺さんを選んで、
「私たちを見てくださーい!」
と、若かった私たちは、我先にと、掌を彼に向かって差し出したのだが。
 彼は、まず最初に私の友達の手相を見て、
「結婚、結婚しますか?私。」
ときく彼女に向かって、
「うん、するね、間違いなく。でも、ちょっと遅いかな。」
と答えた。彼女はその後、離婚についてきいたか、二回できるか、ときいたのか、
ちょっと詳しいことは忘れたが、確か、お爺さんは、友達の小指のわきを私たち
に示して、
「ほれ、ここにある結婚線が二本以上だと、二回結婚。途中で切れていると離婚
もありうる」
なんて言っていた気がする。
それを受けて、私が、
「私はどうですか?結婚しないんじゃないか、と思うんですけど。」
と、彼女と掌を並べると、
「うむー、おっ、必ず結婚するよ。」
と自信満々に答えた。
「というのは、ほら、この生命線が、ナントカ線とまざって、人という字を作ってい
るでしょう?つまり、この交わったところの年齢で結婚するんだよ。しかし、これ
は・・・うーーーむ、かなり遅いぞ。お友達も平均より相当遅いが・・うーん、いい
勝負かな?いや、彼女よりも、あなたはちょいと遅そうだ。」
と、真面目に説明してくれた。それから仕事についてきくと、
「あなたは一生仕事をしますよ。でも、優しいから家族を犠牲にしてバリバリ働く
タイプじゃない。家族と仕事と両立できるような仕事を地道に続けていくと思うよ。」
と言ってくれた。
 その占いのことをずいぶん長いこと私は忘れていたのだが、出産した頃だろうか、
その友達が笑って、
「AKIRA、あの占い当たったね。」
と唐突に言うので思い出した。
「結婚する時期までぴったりだったよね。」
と。そう、彼女は私より、3年ほど早く結婚したのである。
 そして、今のところ、ちょっとゆるめの仕事を私は地道に続けることができている。
この先、どうなるかわからないけれど、今の仕事ではなくても、何らかの仕事はして
いそうな気がするし、あの占いは当たっていたのかなーあ。あのお爺さんはまだ元気
だろうか。亡くなってしまっただろうか。
 もう20年も前のことである。
by akira_dai | 2007-06-20 21:43

AKIRAの日常、考えたこと、など。平凡です。